カテコールとエチレンジアミンによるマンガン(II)の接触分析
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概要
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カテコールまたは2,3-ジヒドロキシナフタレン(DHN)は過酸化水素の存在下でMn(II)の接触効果により速やかに酸化される.生成した酸化体はエチレンジアミン(en)と反応し着色成分が生成することから, これを利用した極微量Mn(II)の接触分析法について検討した.この反応系を利用することにより, カテコール法では0.05〜3.8ppb, DHN法では0.09〜8.0ppbのMn(II)の定量が可能であった.Fe(II), Fe(III)はカテコールまたはDHNと赤紫色の安定な錯体を形成するために, Mn(II)に対し100倍量以上|Fe(II)はカテコール法では60倍|の共存で正の妨害を示した.本法を特別な前処理なしに水道水中の極微量Mn(II)の直接定量に適用したところ, ppbレベルの定量結果が得られ, 同時に行ったフレームレス原子吸光法による定量結果とよく一致した.
- 1994-04-05