黒鉛炉原子吸光法によるアンチモンの定量におけるマトリックス修飾剤としての金属硝酸塩及びエチレンジアミン四酢酸アンモニウム塩の添加効果
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概要
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黒鉛炉AASによるアンチモンの定量に際して, EDTAアンモニウム塩とNi(NO_3)_2及びAl(NO_3)_3の混合物は, 添加マトリックス修飾剤として最適であった.Ni(NO_3)_2は0.01M, Al(NO_3)_3は0.02Mとなるよう添加し, EDTA濃度は必要に応じて変化させた.これらの金属塩はアンチモンを熱安定化させるため, EDTAによるアンチモンの原子吸収低下を抑制し, 更に原子吸光感度も上昇させた.EDTAはアンチモンや共存金属イオンに対してマスキング剤として作用し, 塩化物はアンモニウム塩として容易に除去されるため, EDTAを共存金属イオンの当量以上添加すれば塩化物干渉は抑制された.硫酸塩の干渉も同様に抑制可能であったが, この場合Al(NO_3)_3を減らしMg(NO_3)_2を添加すればその効果は更に良くなった.この場合は添加金属硝酸塩のアンチモンに対する熱安定化効果が大きく寄与している.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1992-03-05
著者
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