高感度フローインジェクション分析法におけるオンライン処理法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
FIAのオンライン処理機能として加熱, 抽出, ガス拡散, 充填剤の作用についてまとめた. 加熱は最も簡単な反応促進法であり, 恒温槽に反応チューブを浸けることで, モリブドリン酸のモリブデン青への還元反応, ホウ素とH-レゾルシノールの錯体生成反応を促進した. 反応率の低い初期段階での生成物の組成の確認も行った. より高温の加熱にはアルミニウムブロックによる電気的加熱を行い, PTFEチューブを巻き付けて縮合リン, 有機態リンの加熱分解を行い全リンを定量した. 目的物質の分離法として抽出とガス拡散を取り入れた. オンライン抽出のためのセグメンターと相分離器を開発し, マラカイトグリーンとモリブドリン酸とのイオン会合体を利用するリンの定量法, 陰イオン界面活性剤の定量法, カリウム, カルシウムの定量法を開発した. 比較的低温で反応によりガス化する化合物は少ないため, これらに特異的な定量法として, 多孔質PTFEチューブを用いるガス拡散装置を作製し, 環境水中の総炭酸, アンモニアの定量法を確立した. 充填剤を詰めたチューブをオンラインで接続し, その機能を利用できる. 硝酸から亜硝酸への還元にCd/Cuを用いることにし, 廃液量などの微量化, 現場分析のための携帯化などを目的に, システムのマイクロ化を検討し, 硝酸, 亜硝酸の同時定量法を開発した. これに使用可能な還元チューブも作製した. 紫外線照射装置は還元作用ばかりでなく, 酸化反応も促進効果があることが分かり, ヒドロキシルアミンの定量を行った. チタニアを吸着させたガラスビーズを充填した反応チューブを用いると反応率が向上し, 触媒として働くことが分かった. グルコースオキシダニゼ固定化ガラスビーズを充填して, グルコース定量を行った. いずれの方法も平均すれば1時間に20試料程度は測定でき, 簡便, 高感度な定量法とすることができた.
- 1999-03-05
論文 | ランダム
- 『ジーキル博士とハイド氏』にみる人間の弱さについて
- ハンドヘルドプロジェクタによる高臨場空間投影手法に関する研究(視覚ディスプレイ,人工現実感)
- 3T-MRIは脳神経外科診療をどう変えたか(ニューロイメージングの進歩)
- 分子イメージング-ニューロサイエンスへの応用(ニューロイメージングの進歩)
- 1平方インチあたり2テラビット以上の記録密度でのCPP-MR素子の要求特性(記録システムおよび一般)