液体クロマトグラフィーによる高分子分析の新展開
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概要
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高分子分析で最も必要とされる分析項目は分子量(と分子量分布)及び組成(と組成分布)であり, 液体クロマトグラフィーはこれらの分析項目を測定するのに用いられる. サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は高分子の分子量と分子量分布の測定に適用されるが, 精度の高い測定を実施するための問題点として, 正確な較正曲線, 横軸(保持容量)及び縦軸(応答量)精度の向上が挙げられる. 特に極性高分子やイオン性高分子では二次効果による横軸変動が大きく, 光散乱検出器の使用による分子サイズと分子量の関係の明確化が必要である. 一般の高分子ではラウンドロビンテストによって多くの問題点を解決することができたが, これら極性及びイオン性高分子の溶離挙動は光散乱検出器による今後の検討が待たれる. 共重合体の組成分布を求めるためのLC法については, 吸着, 沈殿, 順相及び逆相, オルソゴナル, 及び臨界点吸着の各クロマトグラフィーに分類して最近の進歩を解説した. 更に著者が開発した方法についても詳述した. 又, SECと併用した分子量分布・組成分布同時測定法について言及した. 最後に光散乱検出器・粘度検出器の今後の展開及びSEC以外のLCによる高分子解析の将来を展望した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1998-10-05