薄膜磁気記録媒体の表面分析
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概要
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磁気記録メディアは非常に幅広く使用されている記録メディアの一つであり,その記録密度は年々増加している.最近では高感度な磁気抵抗型ヘッドと薄膜磁気記録媒体の導入により更にその速度は加速され,例えばハードディスクでは年率 100%の速度で増加し,商品として50 Mbit/mm^2,開発としては300 Mbit/mm^2 の記録密度が達成されている.その構造としてはコバルトを主成分とした磁性層上に10 nm以下のダイヤモンドライクカーボンが形成され,単分子層レベルの膜厚のフッ素系潤滑剤が塗布される.この薄膜が注目される理由として,トライボロジー特性に大きく影響することがある.つまり最終的に磁気的な限界の前に,ヘッドメディアインタフェース技術によって記録密度の限界が決められる可能性が高いからである.目的の高記録密度を達成するためにはヘッドメディア間距離を小さくしなければならず,2 nm以下のカーボン保護膜と1 nm以下の潤滑剤の膜厚が求められる.そのスケールでは膜そのものの性質以上に,潤滑剤とカーボン保護膜の相互作用の重要性が高まる.トライボロジー特性や磁気記録システムのライフタイムを確実にするためには潤滑剤は保護膜に強く結合させ,高速回転によるスピンオフ,ヘッドメディア相互作用による潤滑剤の消耗,空気中の水分や有機物による潤滑剤の置換を極力避けなければならない.また,強く吸着された潤滑剤は摩擦を低下させ,耐久性を改善する.ここではこれらの薄膜及びその相互作用についてXPS, FTIR, Raman, EELS, Augerによる評価手法はについて述べるとともに,将来的な超薄膜の分析手法について言及する.
- 2002-08-05
著者
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