微量拡散分析法による全シアンの定量
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概要
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微量拡散分析法はフェロシアンやフェリシアンイオンのように安定度の高い錯イオンとして存在するシアンを定量できない.しかし,あらかじめpH5とし,塩化第二水銀溶液を加えて60℃に加温すると,容易にシアン水銀となり,これはリン酸酸性下,ジチゾン-メチルセロソルブ液(1%)1mlの添加で,シアン化水素を生ずるので微量拡散による分離定量が可能となった.0.01M塩化第二水銀液0.5mlを使用した場合,CNとして260μg以下が定量できた.実際の工場排水について本法と蒸留法との比較を行ったが,両者はほとんど一致した.従って,本法は全シアンの分析に使用できることが分かった.精度はCN5.0μgについて変動係数4.3%以下であった.エチレンジアミン(100ppm)の共存は多少の負誤差を与えたが,アンモニア,尿素,アミノ酸及びモノアミン類の共存は影響しなかった.しかし,硫化物イオンの共存は負誤差が大きい.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1977-09-05
著者
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