ICOTone : 音色エディタ
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概要
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ICOToneプロジェクトでは、現在、主力シンセサイザとしてヤマハのDX-7を用いている。DX-7は、音色合成方式として、FM音源方式を採用している。これは、6つの発振器(オペレータと呼ばれる。)同士が様々な組合せ(アルゴリズム)で互いにFM変調をかけあうことによって音色を作り出すもので、従来のシンセサイザで得られなかった多彩な音色の合成が可能である。しかし、音色の可能性が広がった反面、新しい音色を合成するための手間は大きく増大し、DX-7の能力を十分に引き出すのはなかなか難しいようである。これは、(1)FM音源方式の使用経験が少ない。(2)DX-7は、音色を決定するパラメータ数が約150と多い。(3)DX-7本体には、パラメータ設定用のツマミが1つしかなく、パラメータ変更の操作が繁雑である。などの理由によるものと考えられる。このような問題点を解決するため、ICOToneプロジェクトの一環として、SUNワークステーション上に、マウスとウィンドウを用いてDX-7の音色パラメータをリアルタイムに変更し、視覚的に音色の合成を行なうための音色エディタを作成した。本稿では、この音色エディタについて報告する。また、音色エディタの使用経験より得られた知見に基き、新たに構想中の音色エディタ第2版について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01