碁における問題解決モデルについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
知識処理の新しい方法論への寄与を目指して,複雑な知的ゲームである碁をとりあげ, 盤を挟んで相手と競合する状況下で問題解決するためのモデルを提案する.碁における局面は,相手着手に対する応手の緊急度の観点から, 次の2つに大別される.(1)[動的局面]定石実行中や戦いの最中など,相手の着手に直接応えなければならない状況(2)[静的局面]定石や戦いなどが一段落して,必ずしも相手の着手に対応しなくてもよいような状況.それに伴い, 問題解決モデルは, 動的モデルと静的モデルの2つに分かれる.ここでは, (2)の静的モデルにおいて, 特に序盤の静的局面に焦点をあて, そこで人間(碁の熟達者)がどのような思考過程を経て次の一手を導出しているかを更に詳しくモデル化した.それに従って, 実際にインプリメントし,いくつかの問題を解かせてその妥当性を評価した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01