動詞の意味機能スキーマの素性表現について
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概要
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語句のもつ言語情報を記述する有効な方法として素性(feature)がある。素性は語句のもつ性質や機能を要素によって表し、語句の言語的機能の共通点や相違点を示す。言語現象の説明を補強するために様々な理論に素性は利用されてきており、構文処理ではかなりの成果を収めている。例えばGPSG理論においては、素性の導入によってかなり詳細な分析や一般的な文法記述が可能になった。しかし、意味部門について、応用面に関しては格フレームなどにより意味的整合性を示す程度で、意味処理への本格的導入には至っていない。理論面に関しても、意味素性の単なる羅列に留めているのみで、語と語の結合による意味的作用については触れていない。これらの問題に関して、以下では、意味機能スキーマという素性表現による意味モデル構築の試みについて、その第一段階として、文における動詞の重要性に着目し、動詞の意味機能の素性による定式化とその有効性について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01