関数形言語のコンパイル手法を利用したサブセットHPFコンパイラの一構成法
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概要
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計算機動作周波数が上限に近づくにつれて、近年、複数の計算機(PU)を並列に実行させて単位時間当たりの計算量を増やす並列計算機が多数上市されるようになってきた。科学技術計算の分野でも、PU数の増加でボトルネックが生じにくい分散メモリ形の計算機を用いて、スパコンを越える大きな計算を行う例が増えてきた。この分散メモリ形計算機の問題点はプログラムの作成が厄介なことで、計算機の使用者は従来形計算機でも必要であったアルゴリズムの記述の他に、次の2点を記述する必要が生じる。(1)プログラム中データの各PUへの分配方法(2)PU間の必要データの(通信)交換方法ハイパフォーマンスフォートラン(HPF)では(1)の記述方法が業界規格化されており、使用者が記述したデータの分配(1)をもとに、コンパイラはデータ通信(2)を自動生成する。我々は関数形言語クリスタルがこの(1)、(2)の両者を自動化していることに着目し、同様なことを命令形言語で試みた。本報告ではこの結果をもとに、(1)を使用者が記述しないサブセットHPF(SHPF)のコンパイラの構成を試みたので報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-27