ソフトウエア品質特性の適用によるシステム品質要求定義の考察
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概要
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近年、情報化社会のあらゆる領域においてコンピュータシステムに対する依存度が高まっており、システムの大規模化ともあいまって、そのトラブルによる影響も深刻かつ広範囲となり社会に重大なインパクトを与えるケースも少なくない。一方実際の開発現場においては、システムの開発完了後客先に出荷したシステムが、客先の要求するニーズと大きく食い違っており、客先での運用段階で問題が表面化するというケースも多く、品質改善要求の続発や、クレームの多発などユーザとのトラブルが日常茶飯事である。そこで開発者にとってはシステム開発初期の段階でユーザの要求に基づくシステムの品質要求を定義し、最終製品とユーザ要求との差異をできるだけ小さくすること、及び差がある場合にそれを事前に明確化しこれに対する処置を講じておくことが極めて重要な課題である。本論文ではハードウエア製品とソフトウエア製品固有の性質における本質的な相違点を整理し、その特徴を演えき的に検討することによりハードウエア製品とソフトウエア製品の統合によるシステム製品の品質特性モデルの構築を試み、従来BoehmやMaCallらのモデルから帰納的に求められたソフトウエア品質特性のシステム品質特性との関係およびソフトウエア品質特性を適用したシステム品質要求定義の留意点を考察する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-04