パソコン通信センタのマルチホストへの拡張
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概要
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近年のパソコン通信の普及により、会員のみならずパソコン通信をサービスするセンタも増えつつある。こうしたセンタの大部分が小規模な草の根ネットワークと呼ばれるものであり、運営者も個人や中小団体である場合が多い。そのため、センタを構築している計算機も、大型の汎用機ではなく、パソコンやミニコンといった比較的小規模なものが多い。パソコンやミニコンをセンタに使う場合のメリットには、・メンテナンス等の運用経費が安い。・手軽に導入できる。・特殊な工事、付帯設備が不要である。などがある。反面、こうした小規模なセンタでは、会員数・アクセス頻度の増加に伴い、次のような問題が発生することが予想される。(1)ディスク不足各会員のメールボックス領域、掲示板領域などの増加に対し、増設できるディスク容量に制限がある。(2)CPU負荷の増大複数の会員が同時にアクセスするため、プロセスの多重起動となり、CPU負荷が大きくなる。(3)メモリ容量の不足パソコン通信では、レスポンス時間が長いことは致命的である。スワッピング・ページングなどによりレスポンスの遅れを起こすことは許されない。このためメモリは常に余裕を持たせる必要がある。(4)回線数の制限増設できるボード数に制限があるため使用できる回線数にも制限がある。このような問題を、複数のマシンをLAN接続して負荷の分散をはかることで解決した。本稿では、このマルチホスト化への対応方法、メリットについて述べる。なお、適用マシンのOSはUNIX SystemV R2にBSDの一部の機能を追加した当社製OSである。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16