広域実時間知識共有システム"電子図書館"を支援する文書通信機能
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概要
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出版物は人類文化の記録であり,図書館はこの情報へのアクセスの手段を提供してきた。社会活動の複雑化は出版物情報に対して,著者による執筆から読者の閲覧までの時間,および検索時間の一層の短縮を要求し,従来のハードコピー文書では得られない高度な情報プレゼンテーションを求めている。それらを可能にする電子化文書とその作成・伝送・蓄積の技術が期待されている。ISO/IEC JTC1/SC18では,オフィス文書の広義の解釈として出版物情報まで扱い,その作成,伝送,蓄積に関連する標準化を行っている。そのWG8は出版物情報の論理構造を記述するSGMLを標準化し,さらにレイアウト記述,ページ記述を行うDSSSL,SPDLと,フォントリソースを規定する9541の標準化を急いでいる。WG3/5はODA拡張として動画,音声の文書構造への取込みの検討を開始しており,WG5はそれらの文書の伝送方式(MOTIS,DFR)を標準化している。このSC18システムはファイリング検索,印刷,メールボックス等の文書アプリケーションを提供する。電子図書館はこれらのアプリケーションをさらに応用したより上位のアプリケーションと考えられる。そこで上位アプリケーションとしての電子図書館へのユーザ要求を調べることにより,これを支援するために必要な文書アプリケーションに対する機能要求を明らかにし,特に関連機能を多く備えたDFR,GCとの比較検討を行って,電子図書館構築のためにそれに追加すべき諸機能を求める。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-03-15