仮想メモリの返却忘れ検出機構の試作
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概要
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仮想記憶方式のオペレーティングシステムには,仮想メモリ(以後単にメモリと呼ぶ)を動的に獲得/返却するための機能が装備されている.メモリは,通常,いくつかの枠に区切られ,各枠の大きさは,オペレーティングシステムの仕様やシステム構築時のパラメタで決定される.獲得したメモリの返却を忘れると,枠内の獲得可能な量が減少する.要求量が獲得できなければ,要求元の処理は続行できなくなり,計算機システムはパニックに陥ることもある.獲得したメモリは,一般に,要求元の責任で返却しなければならない.オペレーティングシステムは,ジョブの終了時にそのジョブが獲得したメモリを自動的に返却する機能を備えているが,長時間にわたって走行し続けるジョブのメモリは,勝手に返却しないからである.プログラムは,以下の誤りをしばしば侵す.(1)獲得したメモリを全く返却しない.(2)獲得したメモリを返却するが,返却量が獲得量より小さい.本機構は,このような返却を忘れられているメモリとその要求元の情報を検出し,記録する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12