日中技術開発ネットワーク
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概要
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中国では数学,地質学,力学などにおいて著名な学者が多い.橋,ダムなどの土木工学においても独自性を発揮している.また,軍事関係を見ると,核兵器,コンピュータ,ミサイル,人工衛星など軍事利用技術が相当進んでいる.過去30年の間に原水爆,大陸間弾道弾,宇宙衛星の打ち上げ,マッハ2のジット戦闘機,それに原子力潜水艦や軍事計算用の潜水艦など多くの技術成果が生まれている.しかし,問題はこれらの軍需技術の民間への流出はまだ極めて少ないという事である.つまり,高度技術の産業化,商業化の立ち遅れが問題なのである.そして中国における今までの海外からの技術導入の方法は,主にプラント購入が主力であり,そのプラント自体に内蔵する技術を取得して将来の技術開発に生かすというよりも,世界最新鋭の技術プラントを導入してすぐにモノ作りを行うことにより,中国のモノ作りに関する技術的な遅れを埋めようとする姿勢が強かった.電子産業を始めとして,多くの先端技術分野においても,そのようにして得た外からの技術と国内におけるR&Dとの結合が弱く,且つ外から得た技術に対する消化・つまり,咀嚼(そしゃく)して自分達の技術として改良したり,又それらの技術を更に国産化にまでつなげていくという姿勢がほとんど見られなかったのである.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-09-28