オブジェクト指向によるソフトウェア開発の協調作業環境に関する考察
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概要
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複雑で大規模なシステム開発では、上流工程においてすべての情報を完全に記述するのは非常に因難であり、ユーザの要求項目も周囲の状況の変化に伴って刻々と変化していく。現在主流となっているウォータフォール型の開発形態は、上流工程への後戻りが許されないため、仕様の変更や記述の追加に柔軟に対応できず、大幅な納期遅れや予算オーバといった問題を引き起こす一因になっている。この問題を解消する開発形態として、各フェーズで適宜検証を行い、上位工程へフィードバックすることのできるラウンドトリップ型開発形態が注目を浴び始めいてる。また、ラウンドトラップ型開発形態を実現するためのフレームワークとして、オブジェクトを中心に据えた時間的安全性の高いシステム・モデル、高度なモジュール化、ラピッド・プロトタイピングなどの特長を有するオブジェクト指向方法論への期待が高まって来ている。本論文では、ラウンド・トリップ型開発形態を複数人による共同開発に適用する際に発生する問題について考察し、筆者らが採用した対処法、更に残されている問題点などについて述べる。
- 1992-09-28
著者
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Minagawa Makoto
富士ゼロックス情報システム(株)技術部 Blizzard-92プロジェクト
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IWASHIRO Kouji
富士ゼロックス情報システム(株)技術部 Blizzard-92プロジェクト