マネジメントゲームにおけるモデル構築に関する一考察
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概要
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マネジメントゲームは意思決定にかかわる適切な判断を養成する手段として業種・職務を問わずさまざまな分野で活用されている。この場合、意思決定に対する競争企業の反応は予め設定されたモデルによって、あるいは何人かの対戦相手の反応として提示されるのが通常の形態である。教育的な観点からは予めモデルを組む方式が有効であり、ゲームを興味深いものにするといった観点からは対戦相手による方式が効果的である。しかしながら、前者においては面白味に欠け、後者にあっては適切な判断の養成というよりはトランプに代表される単なるゲームと化してしまうきらいがある。本稿では教育的な効果を高め、しかもゲームに面白味を付与するために、ニューラルネットワークを用いて競争企業の反応を行うことを試みる。ここでは経営管理スタイルがニューラルネットワークと意思決定とを結びつける役割を果たしている。すなわち、まず経営管理スタイルとその意思決定との関係が明確に規定でき、しかも学習後のネットワークの結合の重みは1つの経営管理スタイルに対応すると仮定した。結論的には未学習パターンに対する凡化性の問題に帰着するが、マネジメントゲームにおける競争企業の意思決定という観点からはどのような意義が認められるかをシミュレーションによって検証する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-09-28