名詞概念間の関係を用いた主題判定・省略補完システム
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本語文においては、重要な格成分、名詞の限定語の省略が多く、これが構文解析の障害となっている。また、一つの主題について、複数の節、文が述べられ、その範囲では、主題の語句は、原則的に繰り返されることがない。省略補完と主題捕捉の相互依存性については、明示された主題に関し、それらを関係付けて文章の構造をとらえたり、それを複文などのゼロ代名詞の同定に利用する研究例はあるが、明示されていない主題を推定できていないため、正確なゼロ代名詞の同定が妨げられ、主題の変化を捕捉できない。本稿では、株式市況記事のように出来事について説明する文を対象として、主題の承前性、主題が題述部で省略されるという性質を用いて、明示されていない主題を含め、主題判定と省略補完を相補的に行なうシステムについて述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24