ベクトル処理によるボリューム・レンダリングの高速化の研究
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概要
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最近、特に科学技術分野において、コンピュータによる可視化が注目されているが、そこではボリューム・データと呼ばれるものが扱われることが多くなっている。その典型的な例として、医療分野における三次元画像再構成、科学工学の分野における三次元数値シミュレーションの結果の可視化等が挙げられる。このようなデータの可視化技術として最近登場したのが、ボリューム・レンダリングによる方法である1)2)3)。これは、全てのボリューム・データの寄与をデータ値に応する色と透過率を考慮して画像に反映させる方法であり、従来からのCGの応用4)と違って、生成された一枚の画像を見るだけでボリューム・データの三次元的な変化の様子が理解できるという利点がある。しかしながら、この方法の最大の欠点は計算時間がかかることであり、視点の変更やアニメーシュン作成などの際に障害となっている。そこで今回、アルゴリズムをベクトル化してスーパーコンピュータで実行することにより、計算時間の短縮を実現した。本稿では、レイ・キャスティング法を用いたアルゴリズムのベクトル化の概要を述べると共に、実行結果についても紹介し、どの程度の高速化が図れるかについて一つの目目安を与える。
- 1991-02-25