音律組織の特性評価システムに関するー考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今世紀の音楽において主流である12等分平均律は、音楽史の中ではまだ新参の部類に入る。西洋音楽の歴史上では、音程組織として12音のシステムが登場してから、純正律・ピタゴラス律・中全律などの各種の音律システムが提案され、やがて12等分平均律の優位に移行するまでに2世紀ないし3世紀の期間を必要としてきた。また現在でも、世界各地の民族音楽,伝承音楽の領域では、純正律や固有の音律組織に従う音楽は多種存在している。近年、ルネサンス・バロックなどの古典音楽が見直される中で、これらの古典音律についても新たな視点から注目されてきた。その理由は、従来の自然楽器ではいかに理論的に精密な音程を提唱しても、具体的にチューニングを設定したり、ピッチを長期間安定に保持することが不可能だったのに対して、コンピュータ技術を応用した電子楽器においては、人間の聴覚能力を越える精度で、任意の音律システムを実現することが容易になってきたからである。本稿では、パーソナルコンピュータのレベルで音律の特性評価を行なうシステムの実現を試みた経過を報告するとともに、新たに報告された数学的な音楽理論の視点を適用した、新しい音律特性評価システムへの展望について考察する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
関連論文
- コンピュータ音楽
- マルチメディア・アート開発支援環境を応用したインターネット・ホームページ用コンテンツ制作支援環境の開発
- 音律組織の特性評価システムに関するー考察
- 音群技法による音楽作品のための演奏支援システム