多ターゲット指向に基づいたFORTRAN言語処理系
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ワークステーション,ネットワークなどの発展により,計算機の利用形態は,ホスト指向から分散指向へと変わってきた.それに伴い,ホスト計算磯からワークステーションまでの広い範囲に渡って,同等な作業ができるような環境が望まれている.プログラミング言語処理系もその環境の一つである.例えば,複数のシステム間におけるプログラムの可搬性を保持するために,すべてのシステムにおいて共通の言語仕様をサポートすることが望まれている.また,科学技術計算ではFORTRAN言語が広く使われており,ほとんどのターゲットシステムにおいてより高速な実行を可能とする最適化機能も望まれている.さらに,このように多様化したシステムに,これら共通言語仕様及び共通最適化機能をタイミング良くサポートすることも望まれている.こうした利用者からの要求を満たすためには,開発効率及び保守効率が課題となる.多ターゲット指向に基づいた言語処理系の開発は,その開発効率及び保守効率の向上を目的としている.本稿では,実際に多ターゲット指向に基づいて開発したFORTRAN77EXコンパイラを事例に,開発効率及び保守効率の面から,その特徴及び仕組みの概要を紹介する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25