チームによる意思決定活動のモデル化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
人間は類推を利用して新しい問題を解決することが得意であるが,正確に物事を記憶しておくことは得意でない.それに対して,コンピュータは物事を正確に記憶することが可能であり人間の不得意分野である,正確な記憶の部分を補うという可能性は十分に期待される.この記憶の部分をコンピュータに肩代わりさせることで,人間とコンピュータが共に両者の能力を十分に発揮して,問題解決の為に蓄積された知識を利用できる協調システムの構築が可能となる.本研究では,危機管理をチームによる意思決定活動の例として取り上げ,チームリーダーの意思決定活動を支援する各チームメンバーの活動及び,それらの間のコミュニケーションの2つの面から分析する.そして,その結果を用いて,意思決定活動とは何かを明確にし,チームによる意思決定活動をモデル化するために必要な知識を記述できるテンプレートモデルを提案する.このテンプレートモデルを用いることにより,各メンバーの活動及びメンバー間の関係を容易に表現できる.また,メンバー間のコミュニケーションによって引き起こされるイベントについても,テンプレートに記述されており,システムが自律的に処理することが可能になる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-09-20