有限要素法による解析支援システムについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
有限要素法は1950年代に航空機の構造解析の手段として開発されたことに端を発し,電子計算機の大型化および高速化に伴ってその有用性が評価されるようになり,現在では固体力学のほか,流体,電熱および電磁気学における解析等の広い分野において盛んに応用されている。しかし有限要素法を実用分野で応用する場合,解析対象を多くの有限要素に分割し,各要素を構成している節点の番号およびそれらの座標等の解析に必要とする膨大な入力データを作成しなければならない。さらに解析結果の高精度化をはかるには,解析の対象をできるだけ細かい要素に分割する必要があり,入力データの量は益々増加する。また入力データ量の膨大化に伴ってデータの入力ミスの危険性も極めて高くなる。従ってその実際の応用に当っては,それらの入力データの作成にかかる手数をできるだけ軽減する必要がある。そのためには解析対象の形状,領域内の節点の分布密度など要素分割を行うのに必要で最小限の数の入力データから高精度の解を得ることができる要素を自動的に生成し,これより有限要素法の計算に必要なデータを得て解析を実行することにより有限要素法の実用性を大幅に向上させることができる。また必要に応じてメッシュ分割の結果をパーソナルコンピュータのCRT上に表示し,自動分割パターンのチェック,目視によるパターンの修正および生成を対話形式で行うことによって解析に必要な多量の入力データを常時,迅速で正確に作成することができ入力データの作成にかかる労力と時間を大幅に削減できる。本報告ではこの操作を可能にするために開発した自動要素分割システムの概要について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-27
著者
関連論文
- 平板の応力集中部における最適形状の設計法について
- 画像情報を用いたFEM解析支援アプリケーションソフトの開発
- 2005A-G3-2 画像情報を用いたFEM解析支援アプリケーションソフトの開発(一般講演(G3))
- 画像情報による領域形状の抽出と構造的解析
- I-79 画像情報を用いた要素分割システムの開発(画像基本特徴量,I.画像認識・メディア理解)
- 画像情報を用いた自動要素分割支援システムの開発
- 画像情報を利用した自動形状データ作成システムについて
- パソコンによる自動要素分割の前処理システムの開発
- 有限要素法における応力平滑化法の精度について
- 有限要素法による解析支援システムについて
- 有限要素法における応力平滑化法とその精度について
- 船体構造の不連続部における応力集中とインサートプレートによる補強の効果について
- 曲線状帯板の弾塑性大撓み解析と船体損傷解析への応用
- 有限要素法の精度向上に関する研究