アップサイジングによるホスト・コンピューター運用の効率化
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概要
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ダウンサイジングが進む理由の一つに、コンピューター運用のための種々のコストの削減が期待されていることを挙げることができる。ダウンサイジングによるコスト軽減は、ホスト・コンピューターに依存した従来のデータ処理形態から、ハード・ウェアの価格や設置スペース、運用コスト等で圧倒的に安価値な、ワークステーションによる分散処理を中心にし、ホストへの依存度を減らす、もしくは、なくすことにより実現される。一方、アップサイジングは、現行のホスト・コンピューターを、より高性能なハードウェア/ソフトウェアに移行し、その過程で幾つかのシステムを統合/吸収し、より少ない数のホスト・コンピューターでデータ処理を実現しようとするものである。ホスト・コンピューターの数が減ればその分、ソフトウェア/ハードウェアにかかる経費、設備、人件費を含めた運用コストが削減できるというのがねらいである。しかしながら、ここで注意しなければならないのは、ダウンサイジングにしろアップサイジングにしろコスト削減にだけ目を奪われて、肝心のユーザーの立場に立って見た時に、システムのパフォーマンスの低下、使い勝手の悪化、使用できるアプリケーションの減少等を招いてはならないことである。つまり、移行が終わった時に、システムが痩せ細ってしまっていてはならないのである。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-27