緊急配送計画アルゴリズム
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概要
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物流は「経済の暗黒大陸」[Druc62]と言われてから久しいが、近年、改めて物流システムを見直す気運が高まっている。物流システムについて検討する際には、物流サービスとコストとの関係を明確化することが重要である。ここでは、物流サービスとして緊急配送を取り上げる。緊急配送とは締め切り時刻以降に要求された配送のことで、緊急配送要求時には、通常配送分の荷はすでに各配送車に割り当てられているものとする。緊急配送要求を受け入れることは特別なサービスであり、そのために余計に配送車を使わなければならないことが生じうるので、本来、別途料金を徴収する必要がある。この緊急配送コストを算定するためには、ある配送要求が締切時刻に間に合った場合(通常配送)と間に合わなかった場合(緊急配送)とのコストの差額を計算すれぱよい。本稿では、そのために、緊急配送を計画するためのアルゴリズムについて考える。配送計画を立案するためのアルゴリズムとしては、整数計画法(分枝限定法)による方法も考えられるが、厳密な最適解を求めることができる反面、現実規模の問題に対しては計算量が膨大となるため、実際的ではない。そこで、以下では、必ずしも厳密な最適解は求められないが、配送先数が1000程度の現実規模の問題にも対応できる、セービング法と呼ばれるヒューリスティックな配送計画手法を緊急配送用に拡張することを考える。
- 1993-09-27