オブジェクト指向の概念を利用した音声によるヒューマンロボットコミュニケーションの実現
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概要
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音声は、人間にとって最も自然なマンマシンコミュニケーションの手段の1つであり、ロボットへの作業命令を音声で入力するという要求は、情報化社会の進展に伴ってますます高いものになってきている。その場合、より細かな動作制御まで音声で指示するのは非常に面倒であり誤りも生じやすい。そこで、入力した音声を1つ1つの命令に変換する処理だけでなく、言語的な知識を利用してその言語内容を理解させる処理が必要になつてくる。我々人間は、"スパナ"と開いただけで、これはねじを締める工具であると思い、その操作法を知っている。機械部品である"ボルト"と聞いてこれは部品を締結するためのものであると考える。これは我々人間が、個々の機械部品や工具の本来の機能を知識としてもつているからである。本システムでは、このような入力音声の言語的な知識を利用するもので、命令の省略をも許す、より人間同士のコミュニケーションに近いシステムの実現をめざす。筆者の1人は先に、このように組立部品固有の性質や操作手続きなどを、オブジェクト指向の概念を使って知識ベース化し、それを利用すれば対象物レベルのロボットプログラムを容易に動作記述レベルに変換できることを示したこの基本概念をベースにして、この概念をサブアセンブリのある組立作業に適用した例もある。本講演では、この基本概念を使つて人間とロボットが会話をしながらロボットに組立作業を行わせるためのシステムを開発中であるのでその実現方法について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-03-14