地盤解析支援システム : 地盤解析支援における解析事例データベースの運用
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概要
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筆者らは、土木分野における地盤解析用のシステムを開発するに当たって、まず地盤を対象とした解析作業の流れ(図-1)及び問題点を明確にした。各フェーズにおいて、従来の解析作業における問題点を検討した結果を以下に記す。1荷重の評価公表されている設計指針類、過去の解析事例等を参考にして判断されているが、情報の入手に時間がかかる。2地盤の物性値設定土質試験は勿論のこと、過去の解き析事例や専門図書を参考にして物性値が設定されているが、設定方法が確立されておらず、妥当な物性値の設定に、多くの経験を要する。3メッシュ分割複雑な構成をした地盤・構造物を対象とするので、メッシュ作成に多大な時間と、有限要素法におけるノウハウが必要とされる。4行大規模モデルの場合、節点、要素等の解析データ作成、及び入力に多くのマンパワーを必要とする。結果の評価公表されている設計指針類や過去地盤解析作業の流れの解析事例を参考にして評価するのが一般的だが評価方法が確立されておらず、結果の判定に多くの経験を要する。以上、各フェーズごとに問題はあるが、地盤解析におけるエンジニアリング支援という点に主眼をおくと、荷重の評価から結果の評価までの情報、すなわち、解析の経験をデータベースとして蓄積、利用することが効果的と考え、解析事例データベースを開発した。本稿では、土木分野における、地盤解析作業を支援する解析事例データベースの特徴と効果について報告する[figure]
- 1993-03-01