オブジェクト指向に基づく、既存システムの再構成
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概要
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企業におけるソフトウェア資産の蓄積にともない、既存システムの保守はシステム予算に大きな割合を占めるようになっている。そのためシステムの保守性、拡張性は重要な問題である。しかし従来の機能的アプローチで構築されたシステムは拡張性が高いとは言えない。一方、拡張性、再利用性の高い開発技術としてオブジェクト指向が注目されている。オブジェクト指向は自然なモデリングというトップダウンな観点から優れた設計を実現すると思われる。しかし巨大なシステムをオブジェクト指向で開発する場合、その初期コストはかなり大きなものとなることが予測される。というのはオブジェクト指向の重要なメリットの一つがクラスライブラリの再利用にあるのだが、初期段階ではそのようなクライライブラリが充実していないからである。そこで、既存システムをオブジェクト指向パラダイムに基づいて分析し、クラスを抽出することにより、(1)より拡張性の高いシステムへの再構成、(2)再利用可能なクラスライブラリの生成が考えられる。本論文ではこのようなリエンジニアリングをCOBOLで実装された既存の事務処理プログラムを対象として提示する。またそのためのツール支援について考察する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01