手書き漢字認識におけるサブカテゴリ辞書作成方式の検討
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概要
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近年,手書き漢字に対する認識技術の研究が盛んに行われており,楷書でていねいに書かれた文字に対してはかなり高精度な認識を実現している.しかし,我々がふだん書いているような文字(自由手書き文字)は形が多種多様であり,現段階では十分な認識精度が得られているとは言えない.自由手書き文字の著しい変形に対処するために,各字種(以降,カテゴリと呼ぶ)に複数個の辞書(以降,サブカテゴリ辞書と呼ぶ)を用意する方式が知られており,これまでにその有効性がいくつか報告されている.サブカテゴリ辞書の作成方式としては,クラスタリング手法がよく用いられているが,処理量が多い,未知サンプルの正読率が上がりにくいなどの問題点がある.今回は,上記の問題点を改善するための新たなサブカテゴリ辞書作成方式を提案するとともに,その有効性を確認するために行った認識実験について報告する.本手法は,従来法に比べてかなり簡便である方法を用いてクラスタを作成した後(ステップ1),未知サンプルの正読率を上げるためにクラスタ重心をカテゴリ中央に移動し,サンプルの重複を許してクラスタの再構成を行う(ステップ2),2段階の処理で構成されるものである.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-04