予測を用いた移動物体検知方式の検討
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概要
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移動ロボットや進入者監視システムを構築する場合、時々刻々変化するシーンから移動物体を高速に抽出する技術が必要となる。これは、Motion Analysisの範疇に属する問題であり、近年活発に研究が行われているが、実際の場への適用は未だ少ない。この理由の一つに、一般シーンにおいては信頼性の高いOptical flowの算出が困難であることが挙げられる。Feature basedな手法では、時刻の異なるシーン間で画像特徴の対応付けを行わねばならず、ステレオ探索の場合と同様の問題を生ずる。一方、Gradient-basedな手法では、ノイズにより信頼度が大きく低下する。又、複数の移動体が存在した場合に、これらの境界部分のフローを正しく求めることが困難になる。いずれにせよ、環境内の移動物体の検知という問題に絞った場合、毎時シーン全体のoptical flowを求め解析することは、効率が悪い。我々は、移動ロボットの視覚システムの一環として、次に進行する断面までの距離を設定して、ステレオ画像よりこの距離に対応する視差を有する領域を照合、検証することにより高速に障害物検出を行う手法(視差予測法)を提案してきた。今回提案する手法は、予測をより積極的に活用し、シーン中の移動物体の有無を高速、かつ信頼性高く検出することを目的とするものである。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16