複写機現像槽設計支援システムの試作
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概要
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近年エキスパートシステムは、診断型問題から合成型問題にその領域を移して研究が進められている。合成型問題には、スケジュールを行う計画型問題と機械などの設計を行う設計型問題とが有る。計画型問題は、ジョブや資源などが与えられ、決められた領域内で制約を守って配置を行うのに対し、設計型問題は与えられた仕様を満足するようにシステムの構成パラメータを決定する問題で、計画型問題に比べてその自由度が大きいと言える。従来、設計支援にはCADが用いられてきたが、CADでは過去に蓄積されている故障や、失敗、対策を有効に利用することが出来なかった。一方、複写機現像槽は、機械、電気、化学などの複合した要素を含むため、設計図面が完成した段階でその動作が確認しにくく、パラメータの決定方法も過去の経験による部分が大半を占めている。設計段階の初期に、過去の問題点や設計ノウハウを設計者に示すことによって、試作機の段階から仕様を達成するパラメータ設定を行え、評価-改良段階での的確な改善方法を呈示し、設計-評価-改善の繰り返しを減少させるような支援システムが望まれていた。我々は、設計工程の上流に当たるバラック設計にターゲットを絞り、現像槽設計支援システムを試作したので、機能、評価について報告する。
- 1989-10-16