非対称ニューロダイナミクスにおけるカオス出現の条件
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概要
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ニューラルネットワークにおけるホップフィールドモデルの連想記憶の機構は,シナプス結合に対する対称性を仮定した点にある.このやや非現実的な仮定は,この分野の多大なる発展の基礎になってきたが,この仮定を除いた場合には,記憶に対応するアトラクタは不安定となり,ニューロンの状態は準周期的およびカオス的ふるまいをするであろうということは,すでにHopfieldやParisiらに指摘されてきた.また対称性を保持しながらも,外部からカオス素子を導入したり,シナプスの信号伝達の時間遅延(非同期的更新)を考慮したモデルに拡張したりすることにより,カオスが出現することも知られている.本研究では,より単純なモデルの力学系に内在する非線形性とシナプス結合の非対称性だけから出現する準周期状態,さらに真のカオスへの道筋の条件を,少し定量的に示したい.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-03-15