事例ベースによる住宅部品の自動配置
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概要
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住宅意匠設計における図面作成は、設計者とCAD操作者の共同作業形態になることが多い。このように、設計過程に専任CAD操作者が介在せざるを得ない理由は、CADツールの操作性が未成熟であること、配置すべき部品数が1棟当たり120個から200個に及びその配置操作に1時間以上の時間がかかることにある。住宅CAD入力問題へのルールベース等の論理記述による接近には限界がある。配置される部品類は、互いに独立ではなく、3次元空間における干渉関係と因果関係を有するため、その配置ルールは膨大になり、システム開発とその保守の費用が効用に引き合わないからである。本研究は、この住宅CAD入力問題へのオブジェクト指向事例ベースからの接近である。部品の75%が自動配置可能になり、部分的微調整も簡単に出来るので、CAD操作時間が1/4に短縮でき、しかも、過去の設計ノウハウのグループによる活用も可能になる。システム開発・保守面での効用は、住宅モデルのオブジェクト指向による実装を前提とすれば、部品自動配置のための追加開発投資と保守は比較的少量で済むことにある。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-03-15