新入社員プログラミング教育の蘇生 : 日本語能力とプログラミング技能
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概要
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ここ数年来,正規のプログラミング教育を経験していない新入社員の即戦力化のために,各企業ともその教育に努力してきたことと思う。しかし,新入社員に対する初級プログラミング技能の教育は,どこでも実効が上がってないのが現実である。『プログラミング言語仕様+コーディング』教育に甘んじてしまっている。その結果,プログラミング演習での課題をどうにか完成しても,受講者には次のような不満が残る(自分で「ヤッター」という達成感がない!)。これは,各人のその後のモラール/メンタルヘルスの面でも問題だろう。■「問題を与えられても何から手をつけていいのか,どうPADで書けばいいのかわからない。」■「いきなり作れといわれても,・・・・・という感じで,ちっとも満足にやれなかったと思う。」■「仕様をよく理解できないまま演習にとり組んでしまいました。そのため,それぞれの関数のつながりが見えないままプログラミングをしていて,・・・」受講者に達成感を与え実効を上げるには,受講者自身の『考える』働きを活性化させることが重要だと考える。『考える』働きの強化には,考えるツールとしての母国語能力を活用することが不可欠である。本稿では,現状の教育での与えすぎ(教えすぎ)が『考える』働きを阻害している面を指摘する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-03-15