数式処理を用いた都市経済シミュレーション・システム
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概要
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現在、経済システム等の数値計算にコンピュータがよく用いられているが、数値計算では、すべての外生変数に値を与える必要がある。外生変数の変化が内生変数に及ぼす影響を調べたいときには、外生変数を微小量変化させ、内生変数の変化を調べることになる。この方法では結果の意味付けが困難になるし、外生変数の数が多い場合、外生変数間の影響が複雑にからみあって解析が容易ではなくなる。数式処理を用いて、変数等を記号で表わして、計算を進めることができれば、以上のことはある程度解決できるであろう。数式処理システムにはMathematicaを用いることにした。Mathematicaは3つのプログラミングスタイル(構造化、関数型、ルール・ベイスド)を持っているため、社会システムのモデルを記述するのに最適と判断したためである。本研究の目的は、Mathematicaを用いて経済システム解析に有用なパッケージを作成し、理論計算を支援するシステムを開発することである。数式処理を経済システムに適用した研究はいくつかあるが(例えば[2])、数式処理システムに精通していなければならないものが多い。本研究では、Mathematicaを知らなくても、利用できるようなシステムにすることを目標にしている。さらに、本研究では、本システムを簡単な都市経済モデルに適用し、システムの有用性をみる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-03-07