「ESPによるATMSと問題解決器を融合した仮説推論機構」 : ASTRON
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概要
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仮説推論は従来の古典論理の枠組みだけでは扱えなかった不完全な知識を扱うための一方式である。真偽が不明な知識はとりあえず真(仮説)として推論を進め、後に、矛盾する状況が起こった時には、その矛盾の基になる仮説を修正するという、一種の非単調推論を実現する枠組みである。この推論の結果得られた無矛盾な仮説の集合を解とすることにより、従来の診断や設計といった問題の解決に対し、プロダクション・システムとは異なるアプローチが考えられている。仮説を基に推論を行うためには、作業記憶内を動的に管理するなんらかの真理維持機構が必要となる。この真理維持機構としては、TMS[Doyle 79]やATMS[de Kleer 86a]などが提唱されている。本稿では、そのうち仮説の組合せに基づいて、一貫性の維持を行っているATMSに着目し、これとルール・ベースの問題解決器をESPで実現した仮説推論システム「ASTRON」について報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12