学習者の問題解決を支援する知識ベースシステム : 知識の対称性を考慮した知識検索の効率化
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概要
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我々が現在研究、試作中の問題解決支援システムCAFEKSは、任意の問題に対して学習者が問題解決につながる可能性のある糸口(以後、これを検索要求と呼ぶ)をシステムに入力することにより、システムはその検索要求に関連した、問題解決に使えそうな適当な知識を知識ベース内から検索してきて学習者に提示し、それを問題に適用することによって問題解決を図るシステムである。システム側の支援は問題解決の各ステップ毎に、知識を提供するという程度にとどめるが、知識ベースを取り替えることにより共通の知識検索機能を用いて様々な分野の問題解決を支援することを目標にしている。システムの行う知識検索機構は、「検索要求内の概念述語を含む(検索要求内の述語が完全にマッチする)知識を捜しだしてくる」わけであるが、「検索要求」は学習者が任意に設定するものであるため、かなり曖昧な検索要求でも知識を検索できるようにするのが我々の目的ではある。しかし、その設定の仕方によっては、知識が一つも検索できなかったり、逆にたくさんの知識が検索されたりするなど(それも一つの知識に対して一般には複数通りのマッチングが存在する)、知識検索にかなりの負荷がかかる危険性が大きい。その原因の大きな要因として、知識内に同じ概念が幾つも存在することによる、マッチングの組合せ論的増大があげられる。しかしそのような場合、知識に「構造的な対称性」が存在することを利用すれば組合せ論的爆発を抑えることができる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12