自然言語インタフェースの開発方針について
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概要
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近年、自然言語インタフェースの商品化が行われるようになってきたが、従来の自然言語インタフェースには、次のような問題がある。(1)ユーザの期待する性能と実際の性能の間に、大きなギャップがある。→ユーザは、「自然言語インターフェース」という言葉を聞くと、人間と会話するように、計算機と会話できると考える。ところが現状の技術レベルでは、そのようなレベルの汎用的な自然言語インターフェースを提供することは出来ない。さらに、現状のパーサは機構が大変複雑であるため、出来ることと出来ないことを一言で言うことができず、運用担当者に大変理解しにくいシステムになってしまっている。(2)運用・構築の負担か大きすぎる。→自然言語インタフェースの構築・運用を行うためには、複雑なシステムの内容を理解することが必要であり特に、自然言語特有の問題の性質といったものを理解しなければ完全にはできない。さらに、この自然言語特有の問題により、従来のプログラムの保守の数倍の工数がかかる。(3)自然言語インタフェースの使う資源(CPU時間、メモリ)が大きいため、応用プログラムが圧迫される。→インタフェースは応用プログラムのフロントエンドであるのに、インタフェース自身が応用プログラム並みの資源を使うのはおかしい。我々が現在開発中の自然言語インタフェースは(1)の問題を解決するために、応用分野をデータベースに限ることにした。しかし、データベースに限っても、汎用の自然言語インタフェースを提供することは難しい。そこで、特定のデータベースに限るならば、質問文や語彙も限定され、必要な性能が得られるだろうと考え、特定データベースへのチューニングツールを提供することにした。次節で、我々が現在開発中の自然言語インタフェースの開発方針について、具体的に示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12