C言語統合化開発環境におけるフレーム・エディタの構成
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概要
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C言語統合化開発環境は詳細設計,及び,ソース・プログラムの全モジュールにわたるプログラム情報を集約したデータベースを統合化の核とする開発支援システムである。このデータベースは詳細設計書,ソース・プログラム各テキスト・ファイルの作成・変更毎に更新され,次のような効果実現の鍵となる。I)フェーズ間(詳細設計,コーディング),モジュール間の情報の整合性保証。II)記述作業の半自動化(詳細設計書からプログラムの部分的生成,等)。III)保守作業の機械化(詳細設計書,プログラムの変更部相互自動反映,等)。IV)その他(プログラム情報参照,汎用関数の抽出,バージョン管理,等)。この環境の特徴の一つは従来のCプログラム開発方式の延長上に高度に機械化された作業環境を実現できる点にあるが,一方,詳細設計書,ソース・プログラム各テキスト・ファイルより,コメント情報等を含むプログラム情報を抽出する必要から各テキストには機械処理可能な定型フォーマットが要求され,これがユーザの記述上の負担となる可能性があった。フレーム・エディタはこのユーザ負担解消のためのマンマシン・インタフェースとして導入された一種のテンプレート型構造エディタで次の役割を果すよう設計されている。I)新規作成,変更を通してテキストの定型フォーマットを維持する。II)このフォーマットを利用して記述作業を効率化し,かつ,記述途中のエラー混入を未然に防ぐ。以下,フレーム・エディタの構成,機能,効果について述べるが,ソース・フレーム・エディタは初期バージョンを評価中であり,詳細設計フレーム・エディタはモジュール仕様記述部の開発が終了した段階にある。C統合化開発環境については[2][3]を参照されたい。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01