記憶階層における巨大偏微分方程式の数値計算について
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概要
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数値計算において偏微分方程式を解く機会は多い。しかし,2次元以上の高次偏徴分方程式では,現在の大型あるいはスーパーコンピュータにおいても,主記憶容量が十分であるとはいえない。最近使用される機会の多くなった,パソコン,ワークステーションにとってはなおさらのことである。したがって,大型の偏微分方程式を解くためには,補助記憶にたよらなざるを得ない。スーパーコンピュータにおいては,仮想記億管理のもとで主記憶外のデータにアクセスすることはできないので,FORTRANのREAD,WRITE文を用いて,高速補助記憶装置のデータにアクセスしている。高速補助記憶装置としては,半導体素子の拡張主記憶などが用いられ,記憶階層間のデータ転送の効率化が計られているが,データ転送はスカラ計算になるため,計算のスーパーコンピュータに対する適合性の指標であるベクトル化率を低下させている。スーパーコンピュータの計算能力は,今後とくにベクトル演算装置の改良により高められることが期待されているが,ベクトル化率の低下により,スーパーコンピュータの処理能力は,かなり敏感に影響を受けることが予測されている。また,大型汎用コンピュータをはじめワークステーション,パソコンなどにおいては,補助記憶装置のデータ転送スピードがスーパーコンピュータの高速補助記憶装置にくらべ格段に遅いだけに,記憶階層間のデータ転送を伴う数値計算はほとんど不可能となっている。本稿では,以上のような状況をふまえ,主記憶上では解けない巨大偏微分方程式を記憶階層環境のもとで効率的に解く方法を述べ,さらにパソコンでの実測結果を示す。
- 1986-10-01
著者
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