計算機による複素平面上における積分路の検出
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概要
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複素平面上の実軸近傍に特異点を持つ様な有理関数が被積分関数である場合には、実軸上に積分路を採って数値積分を行うと、特異点の影響を受けて計算の途中で関数値の絶対値が大きくなり、大きな誤差を伴う数値が現れる。そこで、その誤差を伴う数値を用いて更に計算を進めると、桁落ちを起こして絶対値の小さい数値積分値が得られるとき、その結果の数値積分値は精度を失ってしまい、桁落ちしただけ相対誤差が大きくなる。その様な場合、積分路を複素領域に採ることによって桁落ち誤差を防ぐことができるときがある。しかし、複素領域における特異点を検出し、次いでそれらの特異点の影響を考慮して適当な積分路を決定することは容易ではない。そこで、適当な積分路を検出する方法について研究してみた。ここに、その検出方法のひとつを提案する。ただし、ここで用いた数値積分法は、シンプソンの1/3公式である。また、使用した計算機は、TOSBAC UX-300(16進6桁計算機)である。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01