GAによるファジー推論自動チューニング・ツールの開発
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概要
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近年_1、ファジー推論の様々な制御系への応用、開発がさかんに行われている。例えば、プラント制御、画像処理におけるノイズを除去するためのフィルター、災害時における、人間の行動分析の推定などが挙げられる。ルール作成のためのデータ形式が多入力1出力の場合には対象の複雑化のために、視覚的な認識に頼ることは難しく、設計者の思考錯誤によりルールの作成が行われことが常である。ここからルールの作成(ルール数、メンバーシップ関数の形状の決定)、すなわちルールのチューニングを自動的に行うことが要求される。現在行われている自動チューニングのための手法としては、第一にニューラル・ネットワークの学習能力を用いた方法がある。この手法では、基本的にバック・プロパゲーションを用いてチューニングを行う。解析的に解を求める手法という点ではメリットがあるが、チューニングの過程で、ルールが局所解に収束したり、アルゴリズムが複雑化してしまう傾向があると考える。第二の手法として、遺伝的アルゴリズム(GA)とデルタ・ルールの組合せによるチューニング方法がある。要求される解を得るまでの計算時間についてのデメリットはあるものの、簡単なアルゴリズムによる自動チューニングが可能である。ここでは、GAを用いた自動チューニング法を紹介する。また、既存の研究では、最適化すべき目的関数についての議論があまり行われていないが、目的関数について再考する。そして最後に同定問題としで1次元及び2次元の非線形関数を対象にした結果を示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-03-06