プロジェクト・マネージャ育成上の新視点
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概要
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ソフトウェア開発におけるプロジェクト・マネージャの仕事は、顧客の要求する機能を実現したソフトウェアを決められた予算と期間内で開発することである。そのためには、プロジェクト計画の立案、トラッキング、外部委託を含めた要員管理能力と共に技術面や管理面のすべてにわたるリスク・マネジメント力が強く要求される。しかし、従来のリスク認識方法はチェックリスト等との照会によるものが多い。確かに、チェックリストは経験者からの蓄積されたノウハウとして有用性が高い。しかし、優秀なプロジェクト・マネージャといわれる人達はチェックリスト以外のリスクに対して感受性が強い。これは自身の経験から来るものである。そこで、本論文では、プロジェクト・マネージャをリスク・マネージャとして捉え、論理的思考だけでは定義しきれないリスクに対して直感的な感知力を養う方法を考えてみたい。尚、本稿でのリスクとは、ソフトウェア開発の完成に対して損失をもたらす脅威が具現化する可能性のことを言い、投機的リスクに属し、プロジェクト・マネージャによって積極的にコントロールされるべきものであると考えている。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-03-06