廃糖蜜のエタノール発酵中の醪容量の減少
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
発酵過程において培養液の溶液の容量変化は通常, 蒸発, 飛散以外は無視されているが, それ以外の要因によるものも考慮されねばならない.著者らは廃糖蜜(糖含量103〜207 g/l)を用いたアルコール発酵を内径1.1 cm, 高さ65 cmの目盛付カラム中で行い, 蒸発以外による容量変化を詳しく測定した.比較的低菌濃度での発酵においても40時間で1%前後の醪容量の減少があり, これは生成アルコール量, ひいては初発糖濃度に相関し, Δ=1.991×10^<-3>×S^<1.23>なる関係があった.ここでΔ : 平均容量減少(%), S : 初発糖濃度, Δ値の約1/2は生成アルコールに起因するものと計算されるが, 残りは増殖菌体への水分のとり込みの結果と考えられる.とくに高濃度菌体での発酵においては, この結果は大きく, 次の関係式で表される.V=(V_0/d)(d-X)ここでV : 溶液部の容量, V_0 : 全醪容量, d : 菌体の密度, X : 菌体濃度.培養実験から正確な動力学的パラメータを得る場合などにおいてはこのような面を考慮しなければならない.
- 1976-12-25
著者
-
Borzani Walter
Laboratory of Biochemical Engineering, Department of Chemical Engineering, Escola Politecnica University of Sao Paulo
-
Perego Leonardo
Laboratory of Biochemical Engineering, Department of Chemical Engineering, Escola Politecnica University of Sao Paulo