Sclerotium tuliparumの生産する酸性β-ガラクトシダーゼの特性について
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概要
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耐酸性β-ガクラトシダーゼを得るべく, カビ約1200株の培養濾液を調査した. その結果, 数種の生産株を得た. その中で, 特に, Sclerotium tuliparumは, 比較的多量のβ-ガラクトシダーゼを蓄積することを認め, 今回は, その特性を調査した.この酵素は, 培地の調査の結果, 硝酸添加培地で, 特に強力に生産され, 酸性醗酵を示唆した. 部分精製後の特性調査の結果, β-ガラクトシダーゼは少くとも等電点電気泳動pattern上で, 1成分であり, 等電点pI 4.4,至適pH 2.0,至適温度37℃, であり, そのpH安定性は37℃で3時間処理で, pH 2.0〜7.0できわめて安定である. しかし, アルカリ側では急速に活性は失われる. 又温度安定性は, 50℃, 30分処理の場合100%, 60℃, 30分の処理でも, 約75%の活性が残存する.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1973-10-25