數種の瑕疵を有する木材梁の負擔力の減少
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概要
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獨逸に於て普通の構造用木材たるTanne, Fichte, Kiefer材は, 主として梁に利用されて, 曲げ應力を受ける。夫々の材に固有の負擔力に従つて, 種々の品等, 即ち上等材, 並等材, 或は1等品, 2等品, 3等品に選別することは, 多くの根據から願はしいことである。此の選別な外觀と主なる瑕疵とを決定すれば行ふことが出来る。健全材にあつては, 負擔力は主として節と斜走纎維との2つの殆んど避け難い瑕疵に依つて害せられる。著書が前に發表したる論文(Der Einfluss von Fehlern auf die Holzfestigkeit nach Versuch und Rechnung. Die Bautechnik, 1936,Heft 5.拙譯を日本林學會誌, 第20卷, 第2,3號に掲載)に於ては, 計算と試驗とに依つて, 個々の瑕疵が木材の負擔力を如何に甚しく減少せしめるかを研究した。然し節と斜走纎維とは屡々同時に現はれる。それ故に前の研究に續けて, 最大應力を受ける部分に節を有し, 且つ同時に其の部分の木材纎維が梁軸に對して傾斜してゐる梁に就いて研究する。木材と木材梁とを觀察すると, 節は引張應力を受ける部分に存在する時に最も大なる害を及ぼす。それ故に彎曲の引張側に節を有する梁に就いて觀察する。大なる木材梁の様な不均質のものは我々が使用する他の構築用材料には殆んど見當らない。此の點を考慮して研究を著しく簡易化すべきであると思ふ。その上, 大さと位置とが試驗の計畫に正確に適合する様な節を有する木材梁を見出すことは殆んど不可能であるから, 前の試驗と同様に希望通りに設けることが出来る圓形を穿孔に依つて, 節と同様の作用を爲さしめる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1938-10-10
著者
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