アカマツさしほの発根に及ぼす噴霧および床土加温処理の効果
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概要
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この実験はアカマツのさしきの発根とさし床の環境条件との関係をみるために行なった。1965年3月24日, ガラス室内に設けた噴霧区, 床土加温区, 噴霧+床土加温区および対照区の4区に, 4年, 17年および30年生母樹よりとった1年生側技をさしつけた。その結果は次のとおりである。1)噴霧+床土加温処理は発根に要する日数, カルスの発達, さしつけ後におけるさしほの生存および発根に及ぼす効果が最も高く, その発根率は4年生母樹のさしほで62%, 17年生で42%, 30年生で38%を示し, 他の区に比べて最も良好な結果を得た。2)噴霧区の発根率は4年生母樹のさしほで60%, 17年生で25%, 30年生で27%を示し, 噴霧+床土加温区についで効果があった。3)床土加温処理は, 4年生母樹のさしほの発根を早める傾向がみられたが, 30年生からのさしほにはその効果がなかった。4)アカマツさしほの発根は噴霧処理によって促進され, とくに噴霧と床土加温を組み合わせることによって一層効果が高まることが明らかになった。これは, 噴霧処理によってさしほの針葉に霧滴をつけるため, さしほの蒸散作用が抑制されること, およびさし床に水分を供給することによってさしほ内の水分の均衡を保ち, 生存しやすくするとともに発根作用を促進するものと思われる。
- 日本森林学会の論文
- 1968-04-25
著者
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