ヒノキ林の枝打ちに対する間伐と施肥の効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
閉鎖直後のヒノキ15年生林で, 枝打ちに対する間伐と施肥の効果を調べるため, これらの組合せ試験を行った。1)枝打ちによって胸高直径, 樹高生長量は減少するが, 施肥によってこれらは回復する。間伐は樹高生長に対する効果が少ない。2)枝打ちで無間伐林分の材積生長量が8%減少したが, 施肥はこれを回復させた。枝打ちに間伐・施肥の組合せは単木の材積生長で48%, 林分の材積生長で19%, それぞれ増大させた。3)木の太さの均等性に対しては, 枝打ちと間伐はばらつきを少なくするが, 施肥は無間伐林でばらつきを大きくする。4)完満度の増大に対しては, 枝打ちと施肥の組合せ処理が最も大きな効果を示す。5)地上部の現存量の幹への配分割合は, 枝打ち・施肥に間伐を組み合わせる処理が最も大きいが, 幹材の単位面積当りの収穫量は間伐を組み合わせないほうが大きい。6)単木, 林分の生長を損なわず, 無節・完満で均等な材を生産するには, 枝打ち・間伐・施肥の組合せ処理が最も望ましい施業法である。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1986-11-25