林内の光環境形成および推定に関する研究(I) : 部分葉層の光透過率およびその推定
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概要
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林冠の光透過性に関する性質は, 葉量・葉傾角など葉群諸因子の総合的影響の下に決められる。しかし, 諸因子の大部分は葉層の位置ごとに異なる光強度に応じた垂直変化を示す。したがって, 林冠を分層化した層位により光透過率が異なる。そして, 諸因子と光強度の間には作用-反作用の系が形成されていると理解できる。一方, 既存の光透過モデルの大部分は, 葉層を均質体とみなしBEER-LAMBERT則を用いている。本報では, 葉群の動態を考慮した光透過モデルの構成要素として, 部分葉層の光透過率という基本的概念を定義し, その値を推定するための, 散光条件下における落葉広葉樹林を対象とするサブモデルを考えた。このサブモデルは検証の結果, 良好な推定精度を示すようである。
- 1985-01-25