浸透性薬剤の立木注入によるマツ材線虫病罹病木の治療(I) : 6種の浸透性殺線虫剤の治療効果
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概要
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1)浸透性殺線虫剤(フェンスルフォチオン, チオナジン, メスルフェンホス, ダイスルフォトン・スルフォキシド, モランテル, メソミル)によるマツ材線虫病感染初期における治療試験をクロマツを用いて行った。薬剤処理量は有効成分量で供試木1本当り10gとした。線虫接種2週間後のフェンスルフォチオン, チオナジン, メスルフェンホス根元処理では80%以上の供試木が生存した。それに対して, モランテルでは40%の生存にとどまり, メソミル, ダイスルフォトンは20%であった。線虫接種・薬剤無処理区では樹脂流出の回復がみられず, 供試木はすべて枯死した。2)フェンスルフォチオン, チオナジン, メスルフェンホス3種の治療薬剤処理区の供試木群には樹脂流出回復効果および肥大生長回復効果が顕著にみられた。3)樹脂流出回復個体にはしばしば傷害樹脂道が形成された。4)健全木における検出薬量は, 各薬剤処理区とも枯死木群のそれを上回った。
- 日本森林学会の論文
- 1984-01-25